Memories.
Kohと私のことをよく知る人ならば想像がつくと思いますが、Kohは終わったことには何も未練を残さず、その先を見て思考を瞬時に切り替え、行動する。良く言えば、働き者。悪く言えば、せっかち。そして私はと言うと、閑人であり、いつまでもいつまでも余韻に浸る。そして先へ進むのが苦手。簡単に言えば、雰囲気だけで生きてるただの怠け者。なので、は?その話もう終わったんじゃないの?ちょっとしつこくない?と思われるのを覚悟で思い出話をします。

その人はどこの会場に行っても私達の目の前に現れて、いつも独りぼっちのくせに人懐っこくて私達にも大変親切にしてくれました。ある時は、「これ、俺が作った干し肉(ビーフジャーキー)だけど、食べる?」 とビニール袋に入った真っ黒の干し肉をごちそうしてくれた。内心、いやそれ衛生的にどうなの?え?ほんとに大丈夫?おじさん手ぇ洗った?と、おじさんと干し肉に対する衛生的な疑問がいくつも頭をよぎったけれど、流石に好意をもって接してくれる相手に向かってそんなことは言えないので有り難くいただきました。そしたら見た目を裏切ってめっちゃくちゃ美味しかった!おじさん、ごめん!今まで生きてきた中で食べたビーフジャーキーの中でダントツ一位!そして私とおじさんは、その日からグーーーンと仲良しになりました。
そして日本に戻ってからしばらくして、おじさんから私にプレゼントが届いた。それは「物」ではなく、まさかの「曲」だった。曲の題名は「イエロー」 もう曲名からしてアウトな感じが否めませんが、せっかくなので心を込めて聴きました。素晴らしく耳心地の良いメロディーで私は大変気に入りました。そうなると今度は、その曲の歌詞の内容が気になります。もちろん英語なので何て唄ってるのか調べてみたら、「君が~黄色く~輝いてる~~すべてが~黄色に~染まっていく~~~♪」 というような内容で、ちょ!おじさん、アジア人にこれはマズイって!まじで!とコンプライアンス的には完全アウトな歌詞でした。ちなみにおじさんはもちろん白人です。私はますますおじさんのことが大好きになりました。Kohも爆笑してました。きっと私達は一生の友達です。
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45 magnum & 45 magnum

Every day I feel happy when I come up with a really good idea, but I feel depressed every day when I think it turned out to be no good. Life goes around.
すっごい良いこと思いついちゃった!と言っては喜び、あーやっぱダメだ、と言っては凹む、そんな毎日。貨物列車のように続く日々、は好きな言葉。

The cylinder head is increasing every morning when I wake up. Apparently, a fairy lives in Koh's work room.
毎朝、起きるたびに増えるシリンダーヘッド。全然関係ない話だけど、スタージスの(私達が滞在する)最終日、マイクに 「スタージスを離れて家に帰るのが淋しいわ」 と伝えたつもりが、自分の英語力のおかげで、「スタージスにいると淋しいから早く家に帰りたいわ」 と伝わってしまって、「はあ?何言ってんのアンタ?」 というマイクの表情が忘れられないんですが、日本に帰ったら絶対の絶対に英語を勉強しよう!と思ってたら9月になってました。子どものころ、来年からは早起きをしようと毎年心に誓って大晦日に眠り、元旦に起きたら9時過ぎてた日々を思い出す、、、
45 magnum.

Now let's get on with the work I've been waiting for. From tonight we can sleep with this 45 Magnum.
これは、以前から取り組んでいるトリビュート ハーマンの次のプロジェクトである45マグナムではなく、もうひとつの方の45マグナム。Kohはハーマンの時もそうだったんだけど、なぜか偶然同じ時期に同じエンジンを使うプロジェクトが重なる。これが凄く不思議で有り難くて良い勉強になるんだって。

というわけで、今夜から一緒の部屋(といってもここ、工場の中の作業部屋)で眠ることになりました。これも毎回、同じ。バイクと一緒に生活することが、Kohにとっては、とっても大切なことらしいです。愛ですねえ
Sturgis Day 14. Thank you Sturgis, Until the day we meet again...
I know it's rude to say this, but let me tell you a little bit about us. We came from a small island country called Japan. It takes a lot of time and a lot of money to cross the ocean and fly to Sturgis with 2 bikes. We are not rich. that's why I worked 365 days a year and spent 24 hours s day in the factory with bikes. Even if I tell anyone about this, they may not believe me, but Koh really did it. I think normal people take hobbies, make time with friends and family to refresh themselves, and teke a break. However, Koh has devoted all of his time to motorcycles. It has lasted for 24 years and I am sure it will continue. I don't know if Koh is way of life is correct, but this is the path he chose. John Harman left for Heaven halfway through his ambition. Koh learned a lot from his short and big life and engine.
Thanks to that, we won a lot of victories in Sturgis, but winning was not our goal. We wanted to convey our beliefs to you. And I wanted you to sympathize with our souls. We wanted you all to see our dear love SPEED STER and TRIBUTE HARMAN. It has come true. I would be happy if you could stay in your heart. Thank you.
Build the bikes : Suicide Customs Koh Sakaguchi
Custom seat : Bill Wall Leather
Paint : Flakes Motorcycle Makoto Satou
Gold Leaf & Pinstripe : M&K custom signs Makoto
Polish : Asari kenma
We would like to thanks everyone for their cooperation. I would also like to thanks my bro Andy Kuczek who give me the KARATA magneto. Thank you to all the friends who met us at Sturgis!!!

私達はL.Aで少しの仕事をやり終えて、友人に挨拶を済ませ、日本へ戻ります。私達はこの4年間、業界の政治や社会的要因に振り回されること無く、自分達の信念を曲げることはしませんでした。そして、これが結果だと信じます。バート マンローがそうだったように、アメリカから遠くはなれた島国からバイクと共に海を越えることは容易なことではありません。Kohは、ほとんどのことを誰にも頼らず、自分自身の力で開拓し、全てをやり遂げました。それは今までの、どこの国へ行くのも同じでした。
他の誰かが魂を込めて制作したバイクに順位を付けるなんて、もしかしたら馬鹿げていることかもしれません。けれど、私達は順位にこだわっている訳ではありませんし、そんなものに執着しているつもりもありません。Kohは、ただ純粋に自分の創り出したものを、豊富な知識と、経験と、技術と、歴史を持った人々に出逢い、正しい評価を望みました。そして、その人たちの脳天に稲妻を落とし、心の中にずっと残るものを創り出したかった。その気持ちをどんな時も忘れずに信念を貫いてきました。そして、諦めなかった。ハーレーダビッドソンが生まれたアメリカで、ジョン ハーマンが短くも大きく生きたアメリカで、そのKohの想いが叶いました。Kohは気難しい性質で、時には酷く周りの人に神経質になったりもしますが、オートバイを愛する心は本物だと知っているから、本当に嬉しかった。34年間の中の13年もの時間、、雨の日も風の日も嵐の夜も朝も、一緒に働いてきてくれた伊達君と一緒に、この日を迎えられたことに感謝するとともに、協力してくださった全ての皆さんに感謝申し上げます。有り難うございました。また、元の生活に戻ります。
Sturgis Day 13. Michael lichter photography...
Our last day in Sturgis was photographed by Michael lichter.
私達がスタージスに滞在する最終日に、マイケル リクター氏に撮影していただきました。




Koh and TRIBUTE HARMAN in the natural spotlight.
天然のスポットライトを浴びるKohとトリビュートハーマン。


Since Koh was young, Koh had wanted Michael to photograph the bikes he built. I think that's what all bike builders around the world wish for. That small but big dream has come true today. Michael is a very funny and kind person. And he was a more serious, hard-working, conviction photographer than we could have imagined.
湿度がないからカラッと気持ちの良い天気なんだけど、とにかく日差しが強いので暑い。コンテナの冷蔵庫に入らせてもらいながら撮影は続きます。マイケルとの最初の出逢いは、ドイツで開催された2016年のAMDワールドチャンピオンシップ。Kohはフリースタイルで優勝しましたが、そのときに初めてマイケルに撮影をしてもらいました。Kohは若い頃から、一度は自分の制作したバイクをマイケルに撮影してほしいな、と願っていました。その小さくて大きな夢が今日、本格的に叶いました。彼はとても面白くて親切な人です。そして、私達が想像するよりも、もっともっと真面目で仕事熱心で、信念を持って写真を撮る人でした。





I searched for several places under the too storong sunlight and moved. I put back even a amall stone, pull out a small seed, and wait for the sunlight. We spent hours and hours trying to get the perfect picture without compromising on the amsllest details.
強すぎる日差しの下、何箇所も場所を探して移動して、その場所が気に入らないとまた移動して、小さな石ころ一つでもどかして、小さな草も抜き、太陽の光を待つ。どのような些細なことにも妥協せず、完璧な写真を求めて何時間も撮影は続きました。


ねえ、Kohは何年かけてこのバイク創ったの?最近はね、長い時間をかけてバイクを制作する人たちが本当に少なくなったんだよ、とマイケルが言っていました。
Hey Koh, how many years did it take you to build this TRIBUTE HARMAN? There are very few bike builders these days who take a long time to create custom bikes. Michael said so.

When you're with Michael, wherever you go, you'll be greeted with "HI Michael!!" And you can take any place. Everyone in Sturgis knows him, loves him and treats him with a lot of respect and respect. "Everyone here knows me," Ibsaid laughing like a mischievous child. "You're an American legend." Then he looked a little embarrassed and said, "I've been here for 43 years without taking a break, taking pictures."
彼と一緒に行動してると、どこへ行っても、「ハーイ!マイケル!」 と声を掛けられます。そしてどんな場所も通リ抜けることが出来ます。スタージスにいる全ての人々が彼を知っていて、彼のことが大好きで、彼に沢山の尊敬と敬意を持って接します。「ここにいる皆が僕のことを知ってるでしょ?」 と、いたずらっ子のように笑うので、あなたはアメリカのレジェンドなんだね!と私が言うと、少し照れながら、「まさか!僕はただ43年間、ずっとここで写真を撮り続けてきただけだよ!」 と言いました。しびれさせてくれます(笑)

We now understand why he is an American legend. I was very happy to be able to see the amazing scenery and feel Michael's energy, beliefs, philosophy, and love for his work. I was humbled by Michael's passion for photography, and it was a day that made me respect and appreciate his work from the bottom of my heart.
私達は、なぜ彼がアメリカを代表するレジェンドなのかを理解しました。素晴らしい景色と、マイケルのエネルギーと、信念と、哲学と、仕事への愛を感じることが出来て、とても幸せでした。マイケルの写真にかける情熱に頭の下がる想いでしたし、心の奥底からの尊敬と感謝をする一日となりました。マイケルが、「ねえ、どうしてもこの二台を僕のコロラドのスタジオで撮影したいんだけど、いつ日本に帰るの?」 と聞いてくるので、え?コロラド?デンバー?いやいや無理だよ、遠すぎる!と言うと、「えー、ノンストップで走れば10時間で着くからさー、けどコロナで何年もスタジオ使ってないから、ちょっと掃除だけさせてね!」 と言うので、いや光栄だけど無理だって!今日の夕方にはここを出発してL.Aに向かうし。と言うと、「えー、飛行機のチケット少しずらせない?」 と食い下がらないので笑えた。とにかく、私は彼のことが前から大好きだったけれど、今日もっともっと大好きになりました。この日、撮影してもらったSPEED STERとTRIBUTE HARMANの写真は、二ヶ月に分けてサイクルソースマガジンの表紙になり、記事で特集されます。