HANA号
しばらく整備で預かっていたHANA号でテストライドしてきました。23年の間ふたりで一緒に走ったのが、まさかのこの日が初めてだった。今までずーーーーっと、「俺たちはまだバイクを楽しむところまできてないだろ?」 と言われ続けてきたので何だか不思議な気持ち。努力や我慢なんてナンセンスなこの時代、たった一度の人生楽しまなきゃ損だよのこの時代に、随分と古臭い思考でやってきたわけですけど、強ちKohから長年言われ続けてゲンナリしてきた時間も間違っていなかったような、でもやっぱり間違ってたのかもしれないけど、だけどとにかく、この時間は正しく楽しかったと言える。

ねえ、そのTシャツ!あなた今日AMDのTシャツ着ちゃってるよ!途中の駐車場で気がついた。
洗濯してないからこれしか着るTシャツがなかったらしい。これは2018年のAMDの参加者に配られたTシャツで、「えー!ほんとだ!こんなの着て俺はバイクに乗ってたのか!恥ずかしーーー!!けどいいんだよ、だってこれ2018年だろ?俺がボロ負けした年のTシャツだから!!」 と爆笑していた。この人がこういう人で本当に良かったなあ、と思う。
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twincam HANA.
HANA号のオーナーからは、「毎日の通勤で乗れるものを」 というご注文でした。



この折り紙を折って重ねたような造形のハンドルシリーズはKohのお気に入りで、Kohの両腕から生まれるカスタムの特徴にもなっている。


Kellerman. 2018年バードザルツフレンの会場でEMDのニコに紹介されたケラーマンから「あなたのカスタムに使ってね!」とプレゼントされたウインカー。私との約束はよくすっぽかすが、仕事の約束は何年かかっても守る人であーる。


ISR. ご存知スウェーデンが誇るISR製マスターシリンダーを使いました。2014年のスウェーデン行きのきっかけをKohに与えてくれた想い出深いメーカーの部品を何気なーく使ってるところもHANA号の魅力とKohのニクイところ!

motogadget. なぜ電源を入れて撮影しなかったのか、、、

Bill Wall Leather.

このデザインもKohがとても気に入っていて時々形を変えながら登場する鳥シリーズ。鳥の名はサンダーバードちゃん。






このツインカム双子ちゃんプロジェクト「ツインズカムズ」はこれにて完!と思いきや、私は気づいた。Kohの板金と溶接の腕の見せ所であるガソリンタンクとオイルタンクを撮り忘れたことに、、、嗚呼、、、すっごく素敵なのに、、、ごめん、Kohよ、、、
twins cam.
バイクをビルドするのに一番大事なことって123は何だと思う?人はいろいろ言うじゃないか、手先が器用だといいとか。でも俺はそんなことは全然関係ないと思ってる。バイクビルダーに一番必要なものは根気なんだよ。最後まで粘り強く作り続ける根気があるかないかだ。分かるか?」
本当だったらこの8月、私達はスタージスに行くはずだった。人生とアルミを削って製作した新しいマシーンと一緒に空を飛んで海を渡る予定だった、今年の初めまでは。それが目標だったし、果たすべき使命だとまで考えていた。
予想もしないハプニングはいつものことだ。自分達でやらかしちゃったことならば今までどんなことだって自分達で何とかしてきたけど(去年も飛行機に載せる数日前にエンジンが燃えちゃっても、きちんと間に合わせたし)、今回のこの騒動は、もはや自分達ではどうにもできないくらい大きくて深刻な出来事になってしまった。
それはとっても残念なことだけど、こういうときにこそKohの言う「根気」が試されるのかもしれないなあ、と思うんだ。
諦めずに続ける、その時が来るまでやるべきことをやりながら静かにじっと耐える、そういう根気。
何かや誰かのせいにして止めたり諦めるなんて、そんなの絶対に嫌だ。

こちらもKohの作る根気とオーナーの待つ根気で完成したHANA号。後ろで佇むのはお久しぶりのTAKI-borghini。この2台はツインカム双子ちゃんプロジェクトでした。ここ数年、シリーズでカスタムを作っていくことにはまっているらしい。今年のスタージスに持っていくはずだったニューマシーンもサンダーヘッドから続いているシリーズプロジェクトで、本当に楽しみなんだ。