39' Knuckle head.
1939 knucklehead
2020年の今頃、まさか一年後もこのような生活が続いているなんて想像もしていなかったけれど、そんな中でもささやかな嬉しいことはあって、そのひとつが古い友人たちが突然スーサイドに尋ねてきてくれたことでした。
ぽっかり空いた時間に想い出してくれたのか、そんなことが去年から度々あって懐かしい再会を果たせた年でもあったのでした。
ある日、スーサイドの前をナックルヘッドがあっちに行ったりこっちに来たりしていたことがありました。スーサイドに来てくれたことがある人ならお分かりになると思いますが、ここは工業地帯の片隅で、ただただ工場が立ち並ぶなーんにもない所。そんな場所にナックルが走ってる。しかも何度も。なんで??とKohが外まで見に行くと、なななんと20年?いやいや25年ぶり?に、Kohが10代の頃に遊んでもらっていたN山氏が39ナックルに乗って尋ねてきてくれたのでした。
今でこそ、責任感のある立派な大人に成長した(と思う)Kohですが、10代の頃は朝寝坊したらそのまま仕事をサボるようなバカタレだったらしく、25年ぶりに再会したKohの今の働きぶりに、「おまえってそんなやつだったっけ?」と何度も確認されていました(笑)
それから時々遊びに来てくださるようになり、30年前から乗り続けている39ナックルのリビルドをお願いされました。正真正銘、博物館級のこのナックルの修理を依頼されて、ここはもうこの25年間どのようにKohがオートバイと向き合ってきたのかがN山氏に丸見えになる瞬間でもあります。


82年前のオリジナルヘッド。美しい。これは修理したあと。スーサイドを始めたころは、誰かの作るものとKohのとを比べて、Kohのつくる部品やカスタムバイクの方が素敵なのにー、とか性格の悪い私は思っていてKohによく注意をされていたんだけど、その頃はこんな工業地帯の片隅で静かにコツコツ作り続けるKohのカスタムバイクが世に出ることなく評価されずに時間だけが過ぎていくような不安が大きかった。当の本人は自信があったみたいだけど。
ここ数年間、日本のレジェンドといわれる人たちのオートバイを修理する機会が何度かあって、このナックルもそうだったんですけど、やっぱり分解するとその人の仕事が分かるらしく、さすがだな、と思うことが多いんだって。それはとっても素晴らしいことだと今の私は思える。思えるようになれてよかった。あの頃の私はゲスかった。

さあ、今から組みます。



幸せな時間が流れます。あともうちょっと。

「あれ?今俺何回目だっけ?2回やったよな?」「あれ?3回だっけ?」 ゲラゲラ笑いながら圧縮をかけるおふたりが楽しそう。見てるこっちも幸せ。

組めたーーーーー!!!


大人になってから素敵なお友達が出来ることもあるけれど、昔から知っている友人というのは不思議なもので何十年と逢ってなくてもスーーーっと昔に戻るみたい。ちっちゃい頃によく遊んでいた従兄弟に親戚の結婚式で久しぶりに逢ってもすぐに子ども時代に戻って楽しく過ごせる感じに似てるかも!
Knuckle head.
ナッコーが届いた。早速エンジンを掛けて走る。機関車トーマスのような音で愛らしい。後ろはKUSTOM★CITY5に乗っていきたくて調整中の伊達君の走る教科書。最近は仕事を終えてから走り回っているらしい。

正直に申しますと個人的にはそんなにナッコー愛が強いわけではないらしいKohですが、

ずいぶんとテンションが上がっていた。これたぶんヤッターマンごっこしてるんだと思う。