2014サンキューそしてグッバイ!
スーサイドカスタムズを始めて6年ほどが経ちました。短いようで長ったらしい6年の間、私達がスーサイドを閉めた日は今日まで一日たりともありません。まるでコンビニエンスストアのように、365日24時間いつも煌々と明かりがついていて、機械も人も休むことなく働き続けてきました。
休まず働くことが立派なわけではありません。眠らず働くことが素敵なことでもありません。ただ、働き続けることが私達のモチベーションを保つ唯一の方法であり、良い仕事をすることが何をすることよりも重要なことだと考えていました。そんな誰から見ても少し窮屈で風変わりな日常の中で迎えたスーサイド6年目の2014年、私達はひょんなことからノルテリエという小さな田舎町へ行くことが決まっていました。
2014年の前半6ヶ月間のことは何だか夢の中を生きていたようで、実はあまりよく憶えていないのです。
家族と過ごすよりも沢山の時間を、朝も昼も夜も深夜も明け方も、ずーっと三人で一緒に働きました。スーサイドという少し大きな家にみんなで一緒に暮らしているかのようで、仲の良い日もあれば上手くいかない日もいっぱいあって、けれどそんなことはお構いなしに日々はただ黙々と真面目に過ぎていったのでした。
Kohはいつも言います。「僕は人生をかけてこの仕事をしているんだ。僕は本気なんだよ。」 と。私はこの言葉にいつもKohの凄まじい執念を感じてきました。男性として、そして一人の人間として、素敵だな、と思う反面、あまりにも偏った生き方に息切れがして、いつも心の中がチリチリとしていました。そして私達はいつもそれぞれに孤独でした。
来たるべき6月、私達はこれまでの人生の結晶とも呼べる滝ボルギーニと挑んだノルテリエ。それまでの私は、「Kohは勝つことに強く執着している」、と思い込んでいました。そして私には、「勝たなければこれまでの努力や苦労が水の泡になってしまうような不安」 がありました。けれど、私の勝手な思い込みや不安をよそにノルテリエのKohからは、「勝つことへの執着」、や「人と交わることを重視する華やかさ」、などのくだらない感情は一切感じることはなく、ただ純粋にオートバイを愛する気持ちとオーナーT川氏に感謝している想いが、強く強く伝わってきました。想い出すだけで今も目に涙が溜まります。
結果が発表されて、優勝者が私達ではないことを知ったスウェーデン人の女性が、「どうしてこれが優勝じゃないの!?信じられないわ!ここに居る人たちの目は節穴なの!?!!」 とわざわざ言いに来てくれました。Kohは大笑いをして、「アーイドーンノー!」 と答えていましたが、その表情と声はとても自信に満ち溢れていました。

(画像はストックホルムのパン屋さんにて。撮影は滝ボルオーナーT川氏)
今年もスーサイドに携わって下さったみなさんには大変お世話になりました。特に今年は滝ボルに関わって下さった方々には感謝しても感謝しきれない気持ちでいっぱいです。本当に本当にありがとうございました。
2015年も皆さんにとって幸せな一年になりますように。
スーサイド及びKohを理解して下さる全ての方々に、愛と感謝を込めて。
SuicideCustoms.
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