XS650
秘密部屋プリズムの中に研究材料の資料が散らばっている。毎回とことん勉強して徹底的に調べてからカスタムに入るので、新しいプロジェクトが始まる前の研究の時間がめちゃくちゃ長いKoh。資料には何かを計算した数字だったり、簡単な絵だったり、長年温めてきた計画だったりの、本人にしか分からないメモ書きがたくさん残っている。集中している時のKohは、「頼むから俺に近づかないでくれないか、ひとりにしてくれ、俺に話しかけるな!」と、
お腹すいたんじゃない?何か食べる?Kohを心配して私が声をかけようものなら、「俺に指図をするな!食事くらい俺の好きな時間に食べさせてくれよ、俺が決める、食べる時間も食べるものも全部俺が決めるんだー!」と怒鳴り散らされる。あなた何時代の人ですか?とツッコミどころ満載なのだけれど、そんなことを言ったら火に油を注ぐようなもの。昔はそんなKohの一語一句にいちいち傷ついたりしていたもんだが、今となっては、あーまた始まりましたか気の済むまでどーぞどーぞ、とほかっておく。

以下、Kohの説明です。
「ボトムケースにキャリパー一体型のフロント周りを製作中なんだけど、通常のスポークホイールだとハブからリムの角度が付いていてボトムケースとスポークの隙間がすごく少ないだろ?だからキャリパーを加工しなければいけないんだけど、キャリパーを一から作っても幅が狭すぎてキャリパー自体がペラペラになってしまうんだよ。なので今回はスポークホイールに見えるようにビレットでホイールを作って、そこにキャリパーが入るスペースを確保したんだ。今回のプロジェクトはホイールに使用するタイヤとエンジン以外はすべてSuicideCustoms製になるってわけ。ちなみにエンジンはXS650だぜ!」

Kohがどんなにメチャクチャでも、こういうものを見せられると私は黙ってしまう。宇宙みたいに広がるKohの頭の中。ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
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