Bill Wall Leather.
実はダウンタウンヘ向かう前にマリブへ行く予定だった。数日前からマリブは大規模な山火事が起きていて、私達が到着したときもグーグルマップの道路表示はマリブ周辺のすべてが真っ赤だった。それでももしかしたら通れる道があるかもしれない。そう思っていろんな道から向かってみたが、どの道も通行止めだった。見渡す限りの山々が、近くの山も遠くの山も真っ黒焦げでまだ煙が出ている場所もあった。悲しかった、とても。

翌日、billの片腕kevinから連絡が入り、「今日は何が何でもおいで。もし問題があれば俺が迎えに行くから」と言ってくれた。グーグルマップの道路はまだ赤いままだけど、もう一度マリブに行くことに決めた。

裏庭には消防士が使用するような本格的なホースが散らばっていた。炎と煙が向こう側まで迫ってきてbillは建物や敷地内に一晩中水を撒いていたらしい。何としてでもここを守らねば、という信念がこちらにも伝わって胸が痛かった。無事でよかった。本当に本当に良かった。山火事で5日間仕事が出来ず今日から再開した、と言っていた。

ちょっとしんみりしちゃうけど、工房もみんなも無事でなにより!ということで会話も気持ちも切り替えて、前回は引越しの最中で逢えなかったkevinと久しぶりの再会を喜ぶ。kevinはbillの長年の仕事のパートナーで、見た目めっちゃくちゃ怖そうだけどとっても優しくて面白いジェントルマン。愛車のツインカムでウィリーしながら走ってる姿がスピードマーチャントのカタログの表紙になったこともある。

そのときの撮影の話がものすごく面白くて笑いすぎてちびりそうになった。Kohなんて爆笑しすぎて目から笑い涙がこぼれてた。こんなに笑って話すkevinとKohを見て、ここが燃えなくて本当に本当に良かったなあと思った。
幼い頃からモトクロスに慣れ親しんで育ったkevinはパワーも性能も優れたツインカムなんて片手でどこまでもウィリーして走っていく。余裕のよっちゃんで撮影に挑むkevinの上手さに観客も増えて気分良く走っていたら警官と目が合ってハーイ!と手を振ったらそのまま追いかけられてパトカーの中に一時間も閉じ込められたとか、もうほんとに笑って笑って笑いまくった。
二人の会話が弾む途中で私は大好きな中庭を散歩した。ここにはへんちくりんなものがいっぱい落ちてる(置いてある?)




きっとマリブの海で拾い集めていると思われるそのそれぞれを見たり触ったりするのが私は大好きなのだが、Kohは苦手らしい。落ちてるもの(置いてある?)を土の中から穿り出していたら、ものすっごい大きな貝殻が出てきた。泥だらけでぐちゃぐちゃだったけど、この大きな貝殻が欲しくてたまらなくなった。「これ、もらってもいい?」とbillに聞いたら、「うんいーよ、でも少し待ってて」と貝殻を持って工房へ入っていった。

5分後、泥だらけの貝殻がピッカピカになってbillと戻ってきた!うそ!?ほんとに?!!もうニクイ、憎いじゃないよ、ニクイ~だよbill!写真じゃ伝わらないかもだけどこれ私の顔より大きいの!ありがとう、一生の宝物にします。

いろいろあったけど終わりよければすべてよし。とにかく無事に仕事再開でいつもの倍以上のスタッフで活気に満ち満ち溢れていたbill wall leatherは相変わらず最高だった。また逢いましょう!

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