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Suicide Customs inc

Date : 2021年01月

澱は底に溜まる





言葉自体は悪いけど、その意味は決して悪くないように思う。

2019年、成田からシカゴに向かう飛行機の中で隣の席になったMさんという女性がいた。座席に座るとき、「あー今回は外人さんがお隣かー」、と思ったらしいが、私もKohも日本人である(笑) 挨拶を交わしてそれぞれの席に座った。飛行機が離陸してしばらくすると隣のMさんはパッカーン!パッカーン!と豪快にビールを空けてグビグビと飲み始めた。キャビンクルーが通るたびにビールのおかわりを注文するMさんを見てKohが、「ねえねえ、エコノミークラスをあんなにも有効に活用している乗客を俺は初めて見たよ!」とか、「ねえ、あの人ビール代だけでも絶対に飛行機チケットの元は取れてるよ!」とか耳打ちしてくるから笑いを堪えるのが大変だった。Kohはそれまでビジネスクラス信者だったのだけれど、私と一緒に旅をするようになってからは必ず私が隣になるからエコノミーで充分だ、と嬉しいことを言ってくれる。



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空を飛んで何時間もすると一言、二言、話すようになってきて、Mさんがバージニア州で暮らす友達家族に逢いに行くということ、私達がカスタムバイクショウに出席する為にサウスダコタに向かうことなどを話したりして、すっかり私達は仲良くなり、Mさんのおかげで10時間近いフライトがとっても楽しい時間になった。そしていよいよシカゴに到着し、私達はそれぞれの目的地へ飛ぶ飛行機に乗り換える為、名残惜しくも笑顔でさよならをした。あんなに楽しかったのにもう二度と逢えないんだ、ていうか逢わないよね、だって別に飛行機の座席が隣になっただけだし。それなのに私は淋しくて淋しくて、不思議な気持ちになった。

喫煙者のKohが10時間近く絶っていたニコチンを摂取する為に喫煙所へ向かう。そこでさっき笑顔でさよならしたMさんが美味しそうに今度はタバコをスッパー!スッパー!と吸っていた(笑) 「Mさーん!」 私は嬉しくてMさんの側に駆け寄った。もう二度と逢えなかったはずのMさんと思いのほか、めちゃめちゃ早い再会を果たした。2019年の8月だった。



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日本に戻ってからしばらくしてMさんが連絡をくれた。たったの数時間、別に飛行機の座席がたまたま隣になっただけなのに、SNSで私達を探して連絡をくれたのだった。それから私達は手紙(実際はメールなんだけど毎回手紙のような長文なので手紙と呼んでいる)のやりとりをずーっと続けている。Kohと旅をするようになってから、こういうことが時々起こるようになった。オートバイの神様が引き合わせてくれた人達。その出逢いは私達の人生を豊かにしてくれた。
2020年の8月に今度はシアトルに行く、と言うので、えー!私達もまた来年の8月はサウスダコタに行きますよー!と盛り上がって同じ飛行機にまた乗ろう!なんて言って笑っていたのに、2020年はとんでもない一年になってしまい私達の夢の再会は夢になった。夢も目標も予定も全部吹っ飛んだ2020年だったけれど、類は友を呼ぶ類友ならぬ、奇跡の友達キセトモ達からの明るくて楽しい便りにどれだけ励まされ笑わせてもらったことか。そして私たち自身もキセトモ達にとってそういう存在で在りたいと思う。








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